調剤薬局

医薬分業の進展に伴い、現在、調剤薬局における院外処方箋市場は約4〜5兆円と言われています。
積極的に処方箋を受け入れる薬局が増えている一方、
薬剤師の不足している企業の生き残りの道は厳しく、調剤薬局としては、
薬剤師の専門性やサービス向上が、これからの発展の鍵と言われています。


医薬分業とは

 薬の価格(薬価)はそれぞれ厚生労働省が発表する薬価基準表で定められています。医療機関は健康保険組合に対して、患者に使用した薬剤費を薬価基準どおりに請求します。薬価基準が卸からの購入価格より高いと、「薬価差益」が生じます。これが薬価差益依存型の病院経営を生み、薬漬け医療と批判される元となっていました。そこで、厚生労働省は、処方箋を持つ医療機関と、実際に調剤を行う調剤薬局の機能を分けることで、薬剤費抑制と医業の健全化を図ろうと、医薬分業政策が採られることとなりました。
 具体的には、医療機関が薬を出すことに対して必要以上の利益が出ないようにし(院内処方箋の点数の引き下げ、薬価の引き下げ)、替わりに院外処方箋を発行することに対しての評価を高くし(院外処方箋の点数を引き上げ)、利益誘導による医薬分業を図ったのです。




進む医薬分業

医薬分業を示す指標として処方箋受取率があります。1990年には12%だった処方箋受取率も、2006年には55.8%と増加し、医薬分業が進んでいることを示しています。医薬分業が進むことは、調剤薬局の数が増える、ということですので、今後も調剤薬局の数が増加することが想像されます。
 今後の予測として、分業率(処方箋受取率)70〜80%で頭打ちになり、処方箋枚数10億枚、調剤市場規模5兆円が最上限と考えられています。




調剤薬局のタイプ

 調剤薬局にはいくつかのタイプがあります。保険薬局(保険調剤薬局、処方箋受付薬局などとも呼ばれます)は、都道府県の認可を受けて健康保険を扱うことができる調剤薬局のことです。多くの場合、保険薬局には「保険薬局」「保険調剤薬局」「処方箋受付」などの表示があります。従来からの町の薬局も保険指定を受けていることも多く、医薬分業により病院の近隣に開設された薬局以外でも保険調剤を行えるところが増えています。後発医薬品を選ぶことができるところもあり、最近ではドラッグストアの中にも店舗販売業(一般販売業)ではなく薬局として保険指定を受け保険調剤を行うところも増えています(調剤併設型ドラッグストア)。もちろん、大衆薬品を扱わず保険調剤だけを行う保険薬局も数多くあります。
 他にも、日本薬剤師会が定める「基準薬局制度」があります。日本薬剤師会が定めた基準(地区の薬剤師会に協力し、地域の福祉・保健衛生の為に貢献する、進んで研修会や講習会へ参加するなど)をクリアし、信頼できるかかりつけ薬局にふさわしいと認定した薬局を「基準薬局」として定めるものです。


活性化するM&A

 医薬分業の進展を背景に、調剤薬局大手は新規出店の動きを加速しています。一方、経営環境には薬価差益の減少や調剤報酬の抑制傾向などのマイナス要因があります。そうした中、財務内容の悪化や後継者難を理由に企業や店舗を手離すケースが増加しています。M&Aは新規出店よりコストや労力が抑えられ、しかも短期間で業務を拡大できます。調剤薬局大手はこれらの企業や店舗を買収、合併し、M&Aを活性化しています。
 将来は1,000億円規模の調剤薬局も登場するとの予測も聞かれるなか、他業界からも、M&Aを通じて積極的な進出が予想されます。
 2010年問題で不足する薬剤師の確保も過熱していますから、人材確保に秀でた調剤薬局や会社が、一気に業界の優位を勝ち取る可能性もあります。企業間格差はますます開いていくことでしょう。


調剤薬局はどこへ向かうのか

 医療費の高騰やセルフメディケーションの流れの中で調剤薬局への注目度が高くなっています。
 度重なる薬価の見直しにより、現在、薬価差益はあまり見込めない状況にあります。その中で、各調剤薬局は、どう他社と差別化し独自性を出していくかを模索しています。無菌調剤に乗り出したり、薬剤師の在宅訪問を開始するなど専門性を追求する動き、介護事業や健康食品販売、アロマセラピーやドクターズコスメに取り組むなど、調剤を補完する新たな事業に乗り出す動きもあります。
 並行して、サービスを充実させる動きも活性化しています。クレジットカードでの支払いができたり、車に乗ったまま薬を受け取れるドライブスルー、薬ができたことを知らせる携帯メールサービスなど、利便性を充実させ、かかりつけ薬局としての存在感を示そうとする動きがあります。


調剤薬局にかかわる職種
1、調剤薬局薬剤師
患者様への調剤と服薬指導

2、調剤併設OTC薬剤師
調剤の知識とOTCの知識を併せ持つ薬剤師
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