めでぃしーんBOOK2019
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ドラッグ・ラグの問題薬価の改定による影響 欧米で開発・発売された新薬が日本で使用が認められ発売されるまでには、国内での治験実施と承認審査をクリアすることが義務付けられており、一般的に非常に長い時間がかかります。欧米との発売時間差は平均2.5~4年で、この欧米と日本間での新薬承認の時間差によって、海外で新薬が先行販売されているのに国内では販売されていない状態、いわゆる「ドラッグ・ラグ」が問題となっています。 主な原因は承認審査の遅れと治験の空洞化にあると見られていますが、この時間差によって日本国内の患者が欧米の患者より治療が遅れたり、場合によっては手遅れになるといった、必要な治療を国民がタイムリーに受けられない事態が起きています。レベルでがん細胞の増殖や浸潤、転移に関係する分子に的を絞ってピンポイントで攻撃するため、増殖や進展を抑えるメリットがあります。「夢の新薬」と言われ、今後も新たな分子標的治療薬の誕生が期待されますが、進化の一方で副作用や有害事象、高い薬剤費への対策などが解決すべき課題としてあげられます。 また、大手製薬会社では、遺伝子組み換え技術を中心とした生物工学(バイオテクノロジー)を駆使して製造する「バイオ医薬品」へのシフトを進めています。その代表である抗体医薬品は、生体がもつ免疫システムの抗体を利用した医薬品で、がん細胞などの細胞表面の目印となる抗原をピンポイントでねらい撃ちすることが特徴。標的以外に作用することがほとんどないため、想定外の副作用が出ることが少なく、がん、関節リウマチ、感染症、有効な手立てがない難病などの治療において、高い効果と副作用の軽減が期待されています。 さらに、京都大学の山中伸弥教授のノーベル賞受賞で話題を呼んだ「iPS細胞」を使った再生医療研究への参入も相次ぐなど、製薬各社の新たな取り組みが進んでいます。 医師が患者向けに処方する薬の価格である「薬価」は2年に一度、中央社会保険医療協議会での議論を踏まえて改定が行われます。製薬会社と病院・保険調剤薬局との取引価格の下落に伴い引き下がるのが通例です。 多額の研究開発費を投じて開発した新薬でも特許期間から2年ごとに公定価格が下がり続けるため、製薬会社からは採算が合わないという声も出ており、日本市場での新薬投入が後回しになる事態が増え、ドラッグ・ラグの要因にもなっています。 そこで厚生労働省では、製薬会社が日本市場に新薬を投入しやすくするために、特許期間中は発売時の価格を維持する特例措置として「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」を2010年度の薬価改定から施行。加算要件を満たす品目数は2012年度の薬価改定では700品目を超え、その後の改定でも施行は継続されています。オーダーメイド医療 個々の患者の症状や体質に合わせた治療を目指す「オーダーメイド医療」が近年注目されています。自分の体型や好みに合わせてスーツなどを仕立てることをオーダーメイドと言いますが、医療の世界でも同じような考え方を取り入れていこうとする動きが見られます。 患者の疾患は千差万別なため、オーダーメイド医療では一人ひとりに最も効果的な薬の種類や副作用を起こさない分量を判断し、調整した上で処方を行うことを目的としています。その判断基準となるのが「遺伝子情報」です。人間の遺伝子情報(ゲノム情報)を解析することによって、その人に合った薬の種類や適正な分量の把握が可能で、薬物治療において高い効果が期待されています。 また、オーダーメイド医療の使用薬は、臨床試験段階でさまざまな遺伝子に対してどのような副作用が発生するか調査するので、患者は副作用がより少ない薬を選択できるメリットがあると言われています。86

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