INTERVIEW VOICE編集部が薬学部教授に聞く INTERVIEW VOICE編集部が薬学部教授に聞く

口 

アウトカムベースの医療が主流化する将来を見越し、頼れる薬剤師を育成。
高い専門知識やコメディカルとの協働が良質の医療サービスを生み出します。

医療系総合大学の特徴を活かしたIPE(専門職連携教育)や海外名門大学との提携などを通じて、質の高い薬剤師育成を目指す同大学。ヘルスケアシステムの一翼を担う薬剤師として、コメディカルとの協調、協働の重要性を理解し、社会の健康増進活動に貢献できる人材を送り出しています。昨今では医療技術の高度化に伴い、特定領域を専門とする専門薬剤師や高齢化や予防医学に関する身近なアドバイザーとなる「かかりつけ薬剤師」など活躍の場は多方面に広がっています。
先行する米国ではアウトカムベースの医療という観点から、高い専門知識や豊富な経験など薬剤師の質の向上が求められています。これからの薬剤師に求められる役割やキャリアデザインについて、日米両国の公衆衛生に詳しい瀧口教授にお話を聞きました。

【たきぐち・ますふみ】
広島国際大学 薬学部
環境毒物代謝学教室 薬学博士 教授

1991年福岡大学薬学部を卒業。1996年長崎大学大学院薬学研究科 博士後期課程修了。その後、米国国立がん研究所・環境健康科学研究所(NCI・NIEHS)博士研究員、日本学術振興会海外特別研究員(NIH)、徳島文理大学薬学部助手を経て、2004年より広島国際大学薬学部助教授、2013年教授就任、現在に至る。専門は毒性学、無機発がん。薬剤師、食品保健指導士。

INTERVIEW

Q卒業生の進路について特徴などお聞かせください。
医療系総合大学としての学びを強みとして寄りそえる薬剤師を
各分野に送り出しています。

社会における薬剤師ニーズは多岐に渡り、病院、調剤薬局、ドラッグストアや、公務員(科学捜査研究所、麻薬取締官ほか)、MRなど活躍の場は広がっています。本学においては、病院、薬局、ドラッグストアへの就職希望者が多くを占めますが、これは病院、薬局で各2.5ヶ月、合計5ヶ月行う実務実習を経験し、薬剤師としての役割意識が強く芽生えた結果と捉えています。
また、医療系総合大学としての特徴を活かし、キャリア教育の一環でもあるIPE(専門職連携教育)にも取り組んでいます。他学部学生と学び合う場を通じ、コメディカルとの協調・協働の重要性を明確に認識し、相互に専門領域をカバーし合うことで、より質の高い医療が提供できると考えています。WHOでは、薬剤師はヘルスケアシステムの一部であるとしています。どの業界に就職しても、薬剤師は健康増進活動において患者さんの最も近くにいる存在であるという意識を持ち続けてほしいと思います。

Qこれからの薬剤師にはどのようなことが求められるでしょうか。
コミュニケーション能力と協調性は必須。
今後はヘルスケアシステムの一部としての役割が重要に。

米国ではアウトカムベース(Outcome Based)の医療という考え方が主流になりつつあります。アウトカムベースとは「成果に基づく」という意味で、患者さんごとに最適な医療を追求するものです。日本の社会では高齢化と医療費の逼迫が既に顕在化した問題となっており、この点においてアウトカムベースは医療技術の高度化と膨張を続ける社会保障費の両側面から求められる一つの打開策とも言えます。患者さんに合わせて薬の効果を正しく判断できる薬学知識と経験はこれまで以上に重要な能力になってくるでしょう。
また、地域医療においてはセルフメディケーションをサポートする役割が薬剤師には求められています。服薬指導だけでなく、日々の体調の変化などをトータル的に判断し、適切な助言ができることも必要です。専門性を高めつつ、ヘルスケアシステムの一翼を担っているという自負を持って、患者さんに頼られる薬剤師を目指していただきたいと考えます。

Q進路の見極め方とキャリアデザインについて教えてください。
キャリア教育は1年次から。幅広い経験の一つひとつが
将来を考える材料になっていきます。

キャリアセンターでは、病院、調剤薬局、医薬品卸、ドラッグストア、公務員など各業界の卒業生を招き、業界研究会を開催しています。このほかにも年に数回、企業説明会を開催したり、卒業生が研究室を訪問して後輩に情報提供するなど、継続的な支援を実施しています。
本学薬学部のキャリア教育は1年次から取り組むIPEや病院・薬局での実務実習が核となっています。IPEで看護師、診療放射線技師、管理栄養士、理学療法士などを目指す他学部の学生と共に学び、それぞれの現場での立場や体験を聴くことは、専門領域の知識のより深い理解につながります。その後、病院や薬局での実務実習を経て、自分の適性や望む方向性を定めていきます。
今後は、高度化する専門領域に対応できる専門薬剤師のニーズはさらに高まるでしょう。従って、がん、感染症制御、精神科、妊婦・授乳婦など特定領域を専門とする専門薬剤師を目指すことも将来のキャリアデザインになります。

Qこれから就職活動を行う学生のみなさんにメッセージ&アドバイスをお願いします。
初心や思い描いていた理想像を大切にしつつ
社会に貢献する薬剤師を目指してください。

今後、「量より質へ」をキーワードに、より良質の健康サポートが求められる時代が訪れます。公衆衛生やセルフメディケーション、服薬指導、予防的側面からの助言、あるいは各分野での専門薬剤師として、様々な場面で質の高い薬剤師が必要とされます。就職活動を前に自分は薬剤師として何ができるのか、どんな薬剤師を目指しているのか考え直してみてください。
本学では全米薬学部ランキングトップ校であるノースカロライナ大学と提携し、世界最先端の薬学教育を体験できる短期留学制度を整えています。全米屈指の生命科学系の研究所がひしめく一角に位置する同大学は医療、薬学の潮流を体感するにふさわしい学びの場であり、また、広島の本校にも同大学講師をお招きし、世界水準の薬学に触れる機会も設けています。学生の皆さんには短期留学や実務実習、OB・OGからの情報などをしっかり活用し、入学前に思い描いていた理想の薬剤師を目指してほしいと思います。

MASUFUMI
TAKIGUCHI

INTERVIEW IN
Hiroshima International University