めでぃマガ2021
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「目の前にいる患者さまの役に立ちたい! この思いが学びや臨床研究の原動力」分厚いガイドラインをすべて学ぶのがエキスパート■中部第一事業部 薬局長(兼)管理薬剤師三星 勇輝 さんは病気を受け入れていない場合がある。1歩踏み込んで、目の前の患者さまはどういう表情なのか?というところまで観察して応対することが重要だ”と指導されました。私はその言葉にハッとしました。処方せんではなく、患者さまにきちんと視点を置かせてもらえたことが、新人研修の大きな収穫になりましたね」。 薬局でキャリアを積むなか、抗がん剤を扱う機会が増えていった三星さんは、QOL認定薬剤師制度のがんエキスパートの受講を決意した。がん領域はがん種によって治療法が大きく変わり、治療法のアップデートも頻繁であるため、最新情報を学び続けることが必須だ。 「実際の臨床現場では、病院の抗がん剤点滴と薬局の飲み薬というパターンも多く、その場合はこういう副作用が出るだろう、という判断も重要になり、そこも勉強が必要です。結局は、あの分厚いガイドラインをすべて学ぶことが必須なのです!」と三星さん。「目の前の患者さまの役に立ちたい」という思いが、頑張りの原動力になったと振り返る。 がんエキスパートの社内認定を取得した三星さんは、その成果と日頃の実務を【ダイレクトテレフォンおよび服薬情報提供書を介した外来癌患者の継続的ケア】という演題にまとめた。これは薬剤師が患者さまに電話をかけて、飲み忘れや副作用の症状確認を行う取り組みである。重篤な副作用が生じた際、処方元の医療機関へ情報提供するための、効率的な文書フォーマットも確立した。この演題の発表は、日本臨床腫瘍薬学会の2018年度学術大会で、優秀ポスター演題賞を獲得している。 「ダイレクトテレフォンは、私たちが日常的に行っている業務です。薬剤師が電話で吐き気や味覚変調などの副作用の症状を引き出し、細やかにフォローすることが、外来がん治療の継続的な支援につながっていると思っています。今後、薬局と病院が連携を強化するには、薬剤師がドクターと同じレベル、同じ視点で治療に取り組めるようにならなければいけないと、強く感じています」と三星さん。その言葉を実現するため、「外来がん治療認定薬剤師」の取得を目指して、再び猛勉強をする毎日だ。そして将来的には、副作用のデータが少ない分子標的薬の領域も深めたいと意欲を語る。三星さんの挑戦は続く。最先端の知識をもって患者さまを継続的に支援特集12

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